現在はレイヤー・グラデーション・ワンレングス・セニングすべての技術をミックスし、スタイルが作られています。
当初ワンレングスとレイヤー、大きく分けて、この2つに分けていました。しかしスタイルが多様化し、カットが体系化され、レイヤー(段差)もより詳しく説明するには、分ける必要が出てきました。
そこでレイヤーとグラデーションの段差の違いに、段差の呼び方が新たに加わったと言えます。
今回はレイヤーカットを深く理解するための基礎知識としてレイヤーを深く専門的に解説します
このレイヤーの基礎を理解していただくと、どの様に使うと効果的で
自分が作りたいスタイルを自由自在に作ることができるかが分かります
レイヤーはショートヘアになればなるほど正確に切るために、この基礎を理解する必要があります
特に影響が出やすいのはショートレイヤーカットです.
それは何故か?後で詳しく説明します
そのためにはレイヤーカットの仕組みを知る必要があります。
目次
レイヤーカットの原理、原則が、わかってしまえば、どこから切り始めようが、縦スライスできろうが、横スライスで、斜めスライスで切ろうが構わないとも言えます。
しかし短時間で合理的にしかも手入れがしやすくするには、どう切るか、また多くのスタッフを指導するには、どう切ると、分かりやすく、覚えやすいかと考えた時、いつの時代にも色褪せない、しっかりしたベースが必要になります
初めに色々な方法を覚えるより原理原則を知ると、応用が効くということです。この原理原則は永遠に変わることはありません。
レイヤーカットは、デザインするだけではありません。カットすることで髪の流れや動きを出すことが出来ます。
ヘアデザインの殆どがレイヤーを使って作ることができます。
前回もお話しましたがヘアデザインはレイヤー(段差)を駆使して作ることで80%のデザインはできます。
この中でグラデーション(段差)も含まれます。
レイヤーカットをしているつもりでも、部分的にはグラーデーション(段差)が含まれていたりします。
A図解で言うワンレングスでカットされて髪が、一番分量が多いとすると、
その分厚い分量を……..
B図のレイヤー(段差)でカットする事でを毛先を薄くしたり、トップにボリュームを出したり、毛流れ方向性を作ったりする事ができます。
そして……..
C図はレイヤーとグラデーションのミックスですが、今のトレンドの殆どがこのようなミックスしたデザインでできています。
これもレイヤー理解することで作ることができます。
レイヤーは顔と頭の形を綺麗に見せたり髪が後ろや前に流れやすくすることができるようになります
グラデーションの段差とレイヤーの段差の組み合わせで厚みや分量を減らし日本人の頭の形を立体的なフォルムとしてデザインすることができます
ベース内でカットする方法です。
B図はオンベースの連続でカットした図ですが、上下のパネルもベース内でカットします。
A図横から見た図ですが、パネルが少し上に引かれているように見えますが、パネルを取った位置が上ですの図に書くとその様に見えますが、頭の地肌が丸くなっていますので、地肌に対して直角に引きカットしていますのでオンベースになります。
オンベースでカットされた連続展開はB図で示している通り落ちた上の下側は左右、均等の長さになります。
髪の毛流れはどちらの方向にも流れやすくなり、自分の毛流や頭の形状によって動きが変わりますが、自然の流れになります。
次にオフベースですが、ベースからズラしてカットする方法です。
A図は上にズラすアップベースです。上が短くしたが長くカットされレイヤーの段差が大きくなります
B図は右サイドオフベースです。
右サイドにベース位置をズラしてカットする連続展開図になります。
この場合右側が短く左側が長くカットされ、髪は左に流れやす動きが出ます。
A図とB図をプラスしてカットすると、上の髪が短く下に行くに従って長くなり、右側が短く左側に行くに押したがって長く切れ左に流れやすくなります。上をある程度短くなるようにアップべースでカットすると上のボリュームが出やすく下側は毛先が軽くなり動きが出やすくなります
後ろから見た図ですが………
A図はオンベースの図です。ベースを広めに取るとDとE 真ん中が短く両サイドが長く切れ、専門用語でコンベックス(凹み)にカットされ同じ長さになりにくく、ショートレイヤーをカットする場合髪の誤差を少なくするためにはスライス幅を小さくして髪の長さの誤差を少なくする必要があります。
B図は、左サイドオフベースです、髪が左が短く右が長くカットされ右に流れやすくなります
C図は、右サイドオフベースです。B図と反対の動きになります
A図は頭は丸いので丸みに合わせたオンベース図です
B図は、右サイドオフベースです。頭の丸みとスライスラインにの取り方に惑わされずベース半個分や1個分など常に決めてカットしていきます。
同じ段差なの何処で呼び方を変えているのか?
頭を垂直にして、水平ライン上、もしくは頭皮に対して直角に引き出したパネル、髪のシェープに対して直角に切って、できた段差がセイムレイヤーと呼びます。
頭を垂直にして、水平ラインよりパネルを上に引き上げ髪のシェープに対して直角に切って、できた段差がレイヤーと呼びます。
水平ラインより少しでも下に引き出し髪のシェープに対して直角にカットして、できた段差をグラデーションと呼びます。
上が短く下の髪が長くなる段差のことを言ます。
基本での前提条件として、シェープした毛束に対して直角に切ることが条件になります。
ちなみに上も下の髪も同じ長さに来られた段差をセイムレイヤーと呼びます。
同じ段差でも水平ラインよりも下にパネルを引きカットする段差をグラデーションと呼ぶことで専門家は説明しやすく理解できるようになりました。
レイヤー上下、左右の毛束の引き出し角度によって長さが変わります。
それだけに始めは左右対称にカットすることと、シェープに対して直角に切ることがが基本になります。これを正確に、守ってカットすることで左右対称にカットすることができます。
基本的には長さが左右、同じにすることですが、左右のボリューム感も同じにすると言うことです。
しかし人間の頭は左右の頭の形も違えば、毛流れによって、どちらかに髪が偏ってしまって、いたり左右で髪の分量も違います。
ですから同じ長さにカットする、イコール左右、対称では有りません。
それを毛束の角度の調整で長さや分量を調整し、左右対象にするということです。
レイヤーは、角度の調整で左右の長さを、変える事ができます。長さが変わることで、髪の動きに力が加わり、方向性が出てきます。
髪に自然に力が加わっているのは、引力によって下に落ちようと、する力が加わっています。プラス左右の長さを変えてあげる事で髪が一定の方向に流れ方向性が出てきます。
レイヤーはカットすることで同時に髪にある一定方向の力を与えたり短かく切ることで自然の立ち上がる力も、利用してデザインに活かす事で
手入れのしやすい、ボリュームや方向性、毛の自由な動きを出すデザインに多用される、とも言える技術です。
髪という素材を味方につけて、カットデザインを成功させるにはレイヤーは最も
大切な基礎と言えます。
何処の場所から切るにせよ、一番初めにカットする場所の長さによってイメージしたスタイルの長さのバランスが決まってしまいます。
長さ10cm位とイメージしたら正確に10cm切れることが大切になります。
10cmが15cmになったり7cmになってしまってはショートヘアになればなるほどイメージしたシルエットと雰囲気がお客様と違ったものになるからです。
- 角度
- シェープ
- パネルの厚さ
- カットライン
- シェープとパネルに対しての角度による長さの変化について
角度とシェープは一体ですが立体的な技術の中で、あてになる、物差しはパネルを持つ左手です。シェープした毛束を何処の箇所も綺麗に挟むことから始まり、パネルの角度が正確な、角度になっているかが重要です。
ですからカットデザインは左手で決まると言います。
オンベース
オンベースは大体同じ長さ(セイムレイヤー)にカットしたい、時に使います。オンベースでしかもスライス幅も同じにして、連続できることで同じ長さに切れます
上から見たA図がオンベースです。
しかし髪がショートになればなるほどベース幅を、狭くする必要があります上の図が、示すようにベースの幅を広く取ってカットした髪は両端が長くセンターが短く切れます。
分かりやすく、スライスラインを横に取っていますが、水平より上に引き上げカットした髪は上が長く下が短く切れます。これをレイヤーと呼んでいます
左の図ではアップベースでカットされた毛束、カット後の髪を横に書かれていますが上が短く下が長く、このような段差になるとして書いたものです。
水平より少しでもパネルを下に引き出しカットした髪をグラデーションと呼ばれた段差になります。
左右上下のパネルの引き出し角度とベース幅を一定に決めてカットし、連続して行うからこそ左右対称にカット出来るようになるわけです。
この決め事がシッカリしてないと、何回かカットし直さないと左右対称になりません。効率が悪くなり、カットで出せる力や方向性も台無しになってしまいます。
横スライスでカットするレイヤーやグラデーションは、もちろんあります。
その時にもヘアの長さによっては、スライス幅を狭くしたり、広くしたりと調節しますが、ショートヘアになるに従って正確にカットするにはスライス幅を狭くする必要があります。
レイヤーの根本原理を知ることで色々なヘアスタイルをカットすることができるでしょう。レイヤーの根本原理動画です。