何を信じていいのか分からない時代だからこそ基礎、基本を大切に考えたい。
僕自身、社会生活を経験してから、美容業に入ったこともあり、早くプロとして自立したいと思い、正しい基本を身につけたいと考えた、当初色々な技術書を読みあさり、理屈が納得行くものを求めた。
結果的に本物求めて海外に勉強に行くことになる。
目次
『基礎や基本』は簡単に行ってしまうと先々、人に左右されること無く、基本的な自分自身の考え方を創るということだと思う。
スポーツや、会社員を経験したことで、人から見えないところも綺麗掃除すること、字が汚くても、日報などきちんと心を込めて書くこと、やりたいことが見つかったら下手でも人より長く続けた人が勝てる事。
常に相手の気持ちになって行動することなど、当然人間として身につけなくてはいけないことを、すでに経験していたこともあり、随分その後の考え方に影響を与えたと思う。
人に左右されないだけの感情をコントロール出来る、普遍的で明快な『基礎・基本』を持つということだと思ったのです。
整理整頓、余分なものは取り除き、複雑になっていることは、本質を見抜く力を身に付ける。デザインを勉強することで、シンプルの大切さを知った。
美容業で整理整頓、清掃、挨拶やコミニケーション能力、笑顔づくりは、基礎に当たります。
それに対してカット技術や、ヘア、メイキャップ、デザインづくりは基本を知らなくては応用してバリエーションを増やすことはできません。これが基本です。
デザインでは「シンプリティ=単純性」というものが結果的に生き残っていくということ。世の中にある、形あるものとは、自分が好き勝手に形作られた物ではありません。
機能や自然、制約があり、それが最終的に研ぎすまされ、シンプル化されたものが
生き残っているのです。
僕自身も同様に将来的に、そのようなものが作れるように目指してきました。かつ誰しもが飽きのこない美しいと感じさせるものを生み出すことを目標としています。
例えば大雨で山崩れが起きたとき、上流で流れ出された岩を見たとします。一見大きく面白そうなものがたくさんありますが、実はそこに真の面白みはありません。
しかし、下流にいくにつれ、削られ、磨かれ、不要な物が一切研がれた物にこそ美しさと面白さが宿ります。
すべてを脱ぎ去り、ありのままに戻って加えるものがなくなったときではなく、取り去るものがなくなったときに、達成される形が究極の原理です。
シンプリティでありミニマリズムなのです。それがデザインを作る上での基本原理です。簡単に言うとポイントをいくつも増やさないということです。
基礎とは?
例えばスポーツで基礎練習というと、だいたい筋力トレーニングとかランニング、走り込みといったものを想定します。
もちろん、筋力を向上したり、体力や持久力、瞬発力などを鍛えることが競技の技術や能力にも影響するのですが、でもそのトレーニングは・・・その競技そのものではありません。
基本は?
しかし基本と言うとその競技に対しての初歩となる事柄から応用までを言います。
例えばサッカーでは、走る、蹴る、ボールを止める。といった基本的な動作が適切にできることが基本になります。そしてこれをどのような状態でもできるようになれば、様々な場面で応用ができます。基本ができてこその応用が効くのです。
基礎とは、建築物で言う土台、それをベースにしてさらに広がりの可能性を持つ具体的な学習です。
そのこと抜きにしては、他の学習が考えられないものだと思うのです。
それには、「何故そうなるのか?・Why?」といつも疑問を持つ精神、こうするとこうなると言った「具体的な技術・How to?」です。
基本とは、物事に対しての基本、心構えの問題です。
ある種の動機づけに触発された衝動が一定程度の冷却期間を置き、その人の生き方の構えとなって身についたものと考えてもいいでしょう。
コンセプトと言った方がわかりやすいかも知れません。(考え方の概念)『基礎と基本』を一緒こたに、語られていますが、このような違いがあります。
美容師には、この2つが求められます。
これはモノづくりにたずさわる人だけに限らず、経営や、スポーツ、アート全てに共通することだと思います。
迷ったら何時でも戻れる『基礎と基本』を持つということです。
美容で例える所の、接客、販売、デザイン作り、感覚、の部分などの基礎技法と基本知識を身につけ、それらをもとに自分の考えや、新しい時代の感覚を盛り込んだ、デザインづくりを時代や流行によってブレない元を創ること、これが基礎だと思います。
オバマ大統領も食べに行った『すし・すきやばし次郎』で修行した人の独立を追った番組を見ましたが・・・
食の美味しさは食材で、料理の八割は仕込みで決まると言っていました。二割がお客さまの前で握ること、値段が高くても食べに行きたくなります。
食材の目利き部分や、仕込みの大切さを一流店で学ぶのです。しいては値段で勝負ではなく安心と美味しさで勝負できるのです。
これこそ個人事業ビジネスの『基礎、基本』です。
信頼を勝ち得ていたブランド、大型店が崩壊しています。大手ハンバーガーチェーン店も安全神話は崩れ、いくら宣伝し、安くしても、売上が減少している現実、このような時代だからこそ『基礎、基本』が大切になってくるのです。
信頼が、おけて良い物にはお金を出すのではないでしょうか?
女優やモデルを手がけるプロのヘアメイクでも、基礎を一番大切にしています。なぜなら難しいテクニックでなく、シンプルな基礎の技術こそ、その人の美しさを最大限引き出すことができると思うからです。
オシャレに見える、オシャレに見えるという事、それはバランスがいいということです。デザインはバランスが大切です。
良いバランスを見極めるには、シンプルに見る。見えてるものをあえて見ない、工夫をする。それにはシルエットで、みるということです。余分なものを取り除いて、本質を見るということです。
ある本で読んだのですが、答えは清潔感です。歳を重ねると言うことは誰にでも平等に起きる現象、嘆きすぎることもないし、忘れるものでもありません。
歳を重ねることは、経験をいっぱい積むこと、知識を仕入れることでもあります。
流行はサイクル、昔経験したで終わらせない、今との違いを見つける。オシャレの熟練度も上がっているはずなのです。
一つだけ失われていくこと、それが清潔感です。
肌は艶や張りを失い髪もほっておくと水分も光も無くなります。若々しい膝や肩の鋭さは消えていくのです。
だからこそ着こなしや、スタイリングでそれをプラスしていきます。ありのままの自分らしさを追求するのです。
若い子ぶるのではなく、長く積んできた経験、顔はあなたの生き方、ファッションは自分の考え方が表現されます。
心が老ければ印象も老ける、見た目は老いても気持ちを若く持てれば、ステキに見えます。僕は老いたシワの顔が写真を撮るときの被写体として好きです。
そこには苦しみも楽しさも乗り越えた美しさが映し出されるからです。
僕のファッションの基本は色を決める事、僕の基本の色は黒男と女のファッションの関係は、捕色の関係が僕の基本的な考え方です。
補色とは、互いの色を最も目立たせる色の組み合わせのこと、男は好きな女性を最も輝かせる捕色でいたい、だから僕の色は黒、相手を引き立たせる影の色です。しかし同時に自分も静かに遊べて輝く色でもあります。
男性が女性を引き立てるように装いをすることが、僕の理想、歴史の長いヨーロッパで学んだルールです。冠婚葬祭の靴も男性は、女性のロングドレスを汚さないようエナメル シューズになったのです。
『基礎や基本』はどの分野であれ、一つ極めると、スポーツでも経営でもアートでも、何にでも通ずるものがあるということです。
今でも身につけることが出来ない事、文章をステキに、シンプルに書くこと、これが僕の課題です。