熱中症・脱水症状を予防する方法を紹介 高齢者はなりやすい? 脱水症状のサイン
脱水症状のサイン
最近、脱水症による死亡のニュースが多く報道されている。
ほとんどの人は、毎日水を飲んでいれば問題ないだろうと思っているが、高齢者になるほど、マメに水を飲んでいるようで、実は水分が足りてないと言った事がよくある。
- 脱水症
水と電解質(塩分が水に溶けると電解質になります)で構成される体液が汗で失われ、その補給ができていない場合に生じます。
脱水症になると、血液の量が減り、血圧が低下。必要な栄養素が体に行き渡らなくなり、不要な老廃物を排泄する力も低下します。
- 熱中症
熱中症とは・・・? 気温の高い環境で生じる健康障害の総称です。
体内の水分や塩分などのバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなり体温上昇、めまい、倦怠感、けいれんや意識障害などの症状が起こります。
目次
体液を2%失うだけで、脱水によるサインが
「脱水症」とは、「体液」が失われた状態ですが単なる「水」不足ではなく、ミネラルの一つであるナトリウム(塩)と水分が同時に不足している状態のことを指します。
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体液は、主にカラダの水分・電解質・たんぱく質で構成されており・・・ 酸素や栄養分の運搬や体温調整、カラダの環境維持など、とても大切な役割を担っています。
そのため、体液が不足することで、酸素や栄養素がうまく運ばれない状態になり老廃物が排出されない、体温をうまく調整できないなどの問題が生じてしまいます。
特に体内の水分量が少なくなる高齢者は、気をつけたい症状です。 本人も気が付かない間に「かくれ脱水」となっていることもあります。
尿や汗、呼吸によって、でさえ体液が失われます、その分を補充できるだけ水分を取らないと脱水状態になりはじめるのです。
そして脱水状態になると、のどが乾くだけでは済みません。 全身の機能に大きな影響が現れます。
僕自身は気がつくと水分補給をしていますが・・・ それでも水分量が足りていないようです。
熱中症・脱水症状予防のコツはこまめに水分補給する
水分補給はこまめに行うことが大前提です。
「のどが乾いた」と感じたときは、すでに身体の中で水が足りていないというサインです。脱水症状を予防するためには「のどが乾く」前に、少量ずつこまめに水分補給をしましょう。
夏はペットボトルや水筒に、水やお茶を入れて持ち歩く習慣をつけ、いつでもどこでも水分補給ができるようにしましょう。
就寝前&起床後に水分補給を
私達は寝ているだけで、体内の水分を500ml以上も失っています。 そのため、就寝前と起床後の水分補給がとても重要です。
深夜や早朝に脳梗塞などの発症率が高いのも脱水が関係あると言われています。 どんなときでも、就寝前と起床後の水分補給を必ずしましょう。
1日にどれくらい水を飲めばよいか?
脱水症のやっかいなところは症状が出にくい点です。 本人や周りの人が気付かない間に脱水症になりかけていることもあります。
脱水状態(脱水症)になる原因について、そして気をつけた方がよさそうな、脱水状態の症状について、もっと知っておきましょう。
では一体、1日にどれくらい水を飲めばよいのでしょう?
1日に少なくともコップ8杯の水を飲むと良いと言った大まかな原則を聞いてきた。
しかし必要な水の量は、個人や、活動量、住んでいる場所の気候、水以外の飲み物や果物や野菜といった食品から摂取する量によって変わります。
また、病人は下痢や嘔吐で失った水分を補うために、より多くの水を摂取する必要があります。子どもと、年配の人は、脱水状態にならないためにより多くの水を必要とする傾向があります。
体重あたりの水分量
私たちのカラダは、毎日水分を失っています。尿や便、汗、呼吸などにより、一日に2リットルもの水分がカラダから出て行ってしまっているのです。
1日に必要な水分量を知る
一日で失われる水分量は高齢者で約2500㎖と言われています。
体内の水分量のバランスを保つためには、失った分をとらないといけません。 そのため、一般的に高齢者は食事以外で一日1000~1500㎖の水分摂取が必要になります。
photo credit: 日本コカ・コーラー株式会社 (飲料アカデミー)
カラダの体液のバランスを保つためには、出ていった分だけ入れないといけません。
そのためには、身体の声に耳を傾け、のどが渇いたと感じたら水を飲むこと。 身体活動をする前、している間、終わった後にも、水を飲む方がよいでしょう。
もちろん水を飲むだけでなく、果物や野菜など水分の多い食べ物をたくさん取るようにするのも、失った体液を補充する方法です。
昔からの日本の食事は欧米食に比べ、水分を多く含む食事でした。 またお茶をのみながら、おしゃべりをする機会も多かったのです。
しかし最近は食事からの水分量が減っています。 まめに水分補給をしましょう。
熱中症の主な症状と重症度分類
脱水症となりやすいのは、子どもと65歳以上の高齢者と言われています。 高齢者が脱水症になりやすく、その重症度を紹介します。
I度(軽症)
【症状】 熱失神/脳への血流が不充分になり、めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の発汗、失神などの症状があらわれます。熱痙攣/発汗による塩分の欠乏により、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)が生じます。
【対応】 涼しい場所で安静にし、水分補給や体の冷却をして様子を見ます。症状が改善しない場合は医療機関での診察が必要です。
Ⅱ度(中等症)
【症状】 熱疲労/頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感、手足のしびれ、不快感、集中力や判断力の低下などの症状が出ます。ごく軽い意識障害を認めることもあります。
【対応】 涼しい場所へ移動・体を冷やす・安静・十分な水分と塩分を補給。 症状が改善されれば受診の必要なし。
水分を自力で摂取できない場合や症状に改善が見られない場合は受診が必要です。
Ⅲ度(重症)
【症状】 熱射病/Ⅱ度の症状に加え、意識障害(呼びかけや刺激への反応がおかしい)、全身の痙攣発作、まっすぐに歩けない、走れないなど手足の運動障害、高体温などの症状が見られます。医療機関での採血により、肝機能障害、腎機能障害、血液凝固障害が判明することも。
【対応】 医療機関への入院、場合によっては集中治療が必要です。体表冷却や体内冷却などの体温管理を始めとして、呼吸、循環管理などが行われます。
気をつけた方がよい脱水状態のサイン
脱水症を軽く考えてはいけません、程度によっては命にかかわることもあるのです。
さらに、脱水症により、血液が濃くドロドロの状態になることで血栓ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞の引き金になる可能性もあることを覚えておきましょう。
手の親指の爪を押す
指先には毛細血管があります。水分が不足している状態では血流が悪くなるので、親指の爪を押したとき白い状態から赤い状態に戻りにくくなります。 目安は3秒。3秒程度で赤みが戻らない場合は、脱水症の疑いがあります。
手の甲の皮膚をひっぱる
皮膚には水分が多く含まれています。脱水症では、皮膚の水分も不足し、肌の弾力が減るため皮膚がもとに戻りにくくなります。目安は3秒。3秒で皮膚が戻らなければ脱水症の疑いがあります。
舌の状態を見る
健康な人の舌は色が赤く、表面はなめらかです。対して、脱水症になっている状態だと、舌の表面に光沢がなく、赤黒く乾いています。
濃い色の、または紅茶色の尿
体内の総水分量が多いほど、尿は透明になります。 色が濃いのは、濃縮しているということで、もっと水を飲んでというサインです。
筋肉がつる(けいれんする)
水分を補給しないと脱水症状になり、血液がドロドロになり血液の循環が悪く 筋肉にゆく血液が足りなくなり、けいれんを起こすことになります。
便秘
腎臓と同じく、消化系もスムーズにはたらくには大量の水が必要になります。 水は食べ物が腸内を動くようにするとともに、腸を健康かつ効率的に保ちます。
便秘は、老廃物を運んで身体の外に出すための体液が足りないという サインでもあります。
疲れ
夏バテ、いつもより疲れる、これは脱水症状が原因かもしれません。 体内に水分が十分にないと、血圧が下がり脳に行く血流が遅くなり心拍数が上がります。 この状態は全部、エネルギーを使い果たしたように感じる結果につながるものです。
頭痛
脳が正しくはたらくために必要な体液が足りないと、さまざまな症状が現れます。 頭痛がいちばん多く脱水状態は片頭痛のよくある原因、めまい、意識がもうろうとする。
頭がクラクラする、気を失う、などは、すぐに水分を補給する必要があるという最も極端なサインです。
このようなサインは自分ですぐに確認できる方法です。 この様なサインを感じたらスグに水分補給をしましょう。
脱水状態になったらどうすればよいか
軽度から中度の脱水状態を治すには、身体が失った水分を補充します。
軽い症状なら・・・?
水を飲むだけでなく、塩分を含む何かを食べると身体が体液を維持しやすくなります。
水はガブ飲みするより、少しずつのみましょう。 一度にたくさん飲むと胃に負担がかかり過ぎて吐き気をもよおすことがあります。
脱水症状が中度くらいの場合は・・・?
応急処置として、「電解質」を含むスポーツドリンクを飲みます。
電解質は体液に含まれるミネラルで、汗をたくさんかいたときは 身体の水分と同時に電解質も補充が必要です。
重症の人は・・・?
すぐに病院で診てもらう方がよいでしょう。 激しい嘔吐、精神状態の変化、気絶などは助けを求めるべき確かなサインと言えます。
熱中症を予防と緩和する栄養成分と飲み物・食べ物
熱中症予防には、肥満や虚弱体質等の身体の状態や高血圧、心疾患、糖尿病などの病気を予防することが大事です。
カリウム、ビタミンB1、クエン酸を摂りましょう。医師から特別な食事療法の指示を受けている方はその指示を守ってください。
【カリウム】
汗をかくと塩分(ナトリウム)が排泄されますが、同時にカリウムも排泄されます。
カリウムは細胞内液に多く含まれており、カリウムが失われると細胞内が脱水症状を引き起こします。細胞内脱水は、熱中症を引き起こした後の重要臓器の細胞機能障害の原因となり、熱中症回復に影響を与えます。
筋肉の収縮を助ける(働きをよくする)働きもあり、日常的に取ることで熱中症にかかった時の回復力を高めることが可能です。
多く含む食品・・・
小豆、そら豆、いんげん豆、海苔、パセリ、干しヒジキ、ほうれん草、さといも、 じゃがいも、落花生、松の実、バナナなど
【ビタミンB1】
不足すると糖質を分解することができず、疲労物質(ピルビン酸や乳酸など)が溜まり、疲れやすくなります。食欲不振・倦怠感・手足のしびれやむくみなどの症状が発症します。
多く含む食品・・・
豚肉(ヒレ肉・モモ肉・肩ロース、ひき肉)、焼き豚、ウナギ、グリンピース、海苔、青海苔(乾)、大豆(乾)など
【クエン酸】
梅干やレモンなどに多く含まれている酸味主成分で、疲労の原因となる乳酸の発生を抑え、疲労回復に優れた効果を発揮します。 またパロチン(若返りのビタミンと呼んでいる)の代謝を活発にするため、老化防止も期待できます。
多く含む食品・・・
梅干し、レモン、グレープフルーツ、オレンジ、食酢、黒酢、もろみ酢など
飲み物
- 水 一般的な食事をしていれば塩分は十分に取れていますので日常生活における水分補給は水でも十分なことが多いでしょう。ポイントは胃の働きを低下させないようコップ1杯程度(100cc~200cc)をこまめに分けて補給することです。
- 麦茶 熱中症対策に「ミネラル入り麦茶」が効果的という研究結果があります。
従来から言われている体温降下効果だけでなく血液をサラサラにする効果も報告されています。医薬品ではなく一般食品 のため効果は緩やかですが刺激物であるカフェインも含まないため、赤ちゃんの熱中症対策にも向いています、誰でも安心して飲める夏にピッタリの飲料です。
- スポーツ飲料 汗をかくと塩分も失われるので、運動や入浴など発汗した後におすすめなのは、ナトリウムを含むスポーツ飲料です。 ただしカロリーが高く、糖分や塩分も多いので、特に制限のある方は飲み過ぎには注意です。またスポーツ飲料を2、3倍に薄めたものや、ハイポトニック飲料の方が体に浸透しやすいため、こちらのほうが熱中症対策としてはおすすめです。お口をゆすぐお水を用意するのもおすすめです。
食べ物
- 梅干し 食塩、クエン酸ナトリウム、塩化カリウムなどが豊富に含まれ、熱中症で失われやすい塩分やミネラル、そして疲労回復に効果的なクエン酸を最も効率よく摂取できます。
1日1粒だけでも十分な効果が期待できるので夏に常食したい食べ物です。 エイジングケアにも効果的です。
- スイカ スイカは90%が水分で、糖分やカリウム、カルシウム、マグネシウム等のミネラルが豊富に含まれている果物です。少量の食塩を加えると、水分、ミネラルと一緒に塩分も効率よく摂取できスポーツドリンクと同じような効果が期待できます。ビタミンCも多く、糖分はエネルギーに素早く変わるため夏のエネルギー補給にピッタリの食べ物です。
- じゃがいも 野菜の中でもカリウムの含有量はトップクラスです。その他、ビタミンB群やビタミンC、ミネラルなど、熱中症予防に効果的な栄養素を多く含んでいます。じゃがいものビタミンCは加熱調理しても壊れにくい特徴があり、調理もしやすいので、毎日の食事に取り入れれば効率よく栄養を補うことができます。
- 豚肉 美肌に効果的な豚肉は、牛肉の8倍のビタミンB1を含み、多くのタンパク質を摂取することができるため、熱中症の予防だけでなく、疲労回復効果で夏バテ防止にも役立つ食べ物です。中でも、脂が少なく柔らかいヒレ肉はビタミンB1が一番多く含まれているのでおすすめ。
- 焼き鳥 特に良いとされている、砂肝や、レバ焼きは色々な栄養素が含まれていて、夏バテや熱中症対策としても良いとされています。
- レモン レモンにはクエン酸を始め、疲労回復効果のあるビタミンCが多く含まれているので熱中症の予防に効果的です。
また、エイジングケア、美白効果、ダイエット効果など、美容面でもたくさんの嬉しい効果が期待できます。
夏野菜
きゅうり、トマト、なす、トウモロコシ、オクラ、ゴーヤ、モロヘイヤなどの夏野菜
夏が旬の野菜や果物は水分が多く、体を冷やす作用があります。
疲労回復に役立つビタミンB群や体の調子を整え免疫力を高めてくれるビタミンCも多く含んでいるため、熱中症予防に適しています。
抗酸化力も高いので、美容・健康面での効果も期待大です。
【参考サイト】
環境省熱中症予防情報サイト熱中症環境保健マニュアル
熱中症診療ガイドライン2015-厚生労働省
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